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お酒と偉人の関係!これで貴方も有名人の気分!?(その7)

著名人ゆかりのお酒とは

著名人が愛したお酒は、その人が何故それが好きだったのかということを知る絶好の嗜好品です。

生まれた時代が違う、そもそも面識がない歴史上の偉人の功績や作品に触れることはもちろん素晴らしいことですが、同じものを口にする、という内面から理解を深めるためにお酒は一役買ってくれます。

とはいえ、著名人のゆかりのお酒とは、なにもその人物が愛飲したお酒だけではありません。歴史上の人物にあやかって名付けられた酒というものも、著名人を知る絶好の機会です。

というわけで、今回は海と地上、ふたつの戦場で活躍した男たちゆかりのお酒「キャプテン・モルガン」と「ガリアーノ」をご紹介いたします。

カリブの風を感じて……キャプテンモルガン

パイレーツオブカリビアンなどや少年誌の超有名漫画のおかげというか、海賊というものが以前に比べて格段に知名度が上がっているように思われます。

しかし実際のところはアニメや映画というよりは海の上を縄張りとした、冒険家というよりは強盗団に近かったようです。

ヘンリー・モルガンは17世紀中盤にかけて活躍した海賊の首領です。元々は英国生まれの船乗りだったのですが、その後海賊に転身、大組織の首領にまでなった叩き上げの海賊です。

当時の海賊は強盗団としての側面を持つ一方で、国家からの請負事業で他の海賊を取り締まるようなこともありました。

モルガンはただの海賊の首領という立場だけでは収まらず、最終的にはジャマイカ政府から将校として扱われ「サー」の称号まで得たというのですから、その生い立ちはまさにドラマチックとしか言いようがありません。

カリブと言えばラム。ラムと言えば海の男の酒。ということで作られたお酒がその名も「キャプテンモルガン」というお酒です。

ラムにはダーク、ミディアム、ライト、と三種類のジャンルがありますが、それとは別にバニラなどで風味付けをしたものを「スパイスド・ラム」と呼びます。

モルガンはこのスパイスド・ラムを大層好んだという話で、しかも死に際には英雄的ポジションとして国民からも愛されていたそうです。

彼の名を冠したスパイスド・ラムが作られたのはある意味必然だったと言えましょう。

そんなお酒であるキャプテン・モルガンはガツンとした海の男の心意気と、果実やバニラの優しく甘い香りを楽しめる、ラムの中でもトップクラスの美酒です。

おすすめの飲み方はキューバ解放にあやかった「クバ・リブレ」がイチオシです。

コーラでラムを割り、ライムを搾っただけの簡単カクテルながらその組み合わせはまさに絶品。カリブの雰囲気を存分に満喫することができるでしょう。

彼が生きた時代に思いを馳せつつ、海賊のごとく豪快にゴクゴクと飲むと楽しくなってしまうこと請け合いですよ。

黄金色の勲章……ガリアーノ

モルガンは海を拠点とした英雄でしたが、今度は陸の英雄をご紹介しようと思います。その名もジュゼッペ・ガリアーノ。

19世紀後半に行われたイタリア・エチオピア戦争で多大な功績を挙げたイタリア人の将校です。

ガリアーノの製造者、アルトゥーロ・ヴァッカリはガリアーノの活躍に非常に感銘を受け、その名を冠したお酒を造ることを決意します。

面白いのが、大抵著名人の名前がついたお酒はその死後に作られることがほとんどですが、このガリアーノに限ってはガリアーノ家に許可を取った上で命名したというところです。

ガリアーノを始めて見た方はそのボトルの異様に必ずと言っていいほど驚くことでしょう。その形はまるで黄金に輝くガラスの塔。

通常のボトルに比べて優に2倍近い巨躯を誇ります。それでいてほっそりとしたラインはまるでイタリアの建造物です。これほどインパクトの大きいボトルもそうあるものではありません。

味わいはバニラやアニスをはじめとしたハーブ類が実に40種類以上配合された、複雑な甘さ。とろけるような舌触りと芳しい香りはデザートリキュールとしてもおすすめです。

とはいえ、ストレートのままですとかなり甘いのでカクテルにした方が良いかもしれません。

トニックウォーターで割ると、ほのかな苦味とガリアーノの風味が渾然一体となって甘美な気持ちに浸れることでしょう。

英雄の名を冠したお酒としてはやや甘すぎるきらいはありますが、サフランで色付けしたという黄金色はガリアーノの栄光の勲章なのかもしれませんね。

また、このリキュールを使ったカクテルには「ハーヴェイ・ウォールバンガー」というものも有名です。

これはウオッカとオレンジジュースで作る有名なカクテル、スクリュードライバーにガリアーノをトッピングしたものです。

ハーヴェイがギャンブルで負けた日にこれを飲みながら壁に頭を打ち付けたというエキセントリックな行動からその名が取られていると言われています。

良かれ悪しかれ、男の生き様を満喫するにふさわしい飲み方のひとつではないでしょうか。

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