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4つの暗号が指し示す、日本庭園が私達に安らぎを与える理由とは?

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2014.01.15

安らぎを求めて

仕事で身も心も疲れ果てた時に、ふと神社仏閣を訪れると、それまでの自分自身が嘘のように気分が何だか一気に安らぎ、エネルギーをもらえたような気分になりませんか?

そんな神社仏閣と並んで日本人の心の安らぎになってくれる場所が「庭」。有名な神社仏閣を訪れると、そこには見事な庭が整備され、見るものにより深い安らぎを与えてくれます。

でも、庭を見ているとそれだけでなぜ心が安らぐのか、その理由を考えたことはあるでしょうか?

日本庭園には、人々に安らぎを与えるための様々な仕掛けが施されています。その仕掛けに一つ一つアプローチして庭に秘められた先人たちの暗号とも言える思いを読みわかき、庭が人々の心に安らぎを与えてくれる理由を探って行きたいと思います。

池に込められた母性への思い

大きな日本庭園を訪れると、だいたいそこには池があります。水というものは本来、命の起源が宿っているものですから、先人たちが庭に池を作り、そこに「母」という絶対的な存在を象徴させようとした気持ちが理解できるようになります。

そういえば、庭の池というものはとても優美な曲線を描いているものが多いのですが、これも母性や女性というキーワードを照らし合わせていくと、その理由がよくわかってきます。

海外の池は直線的なデザインのものが多く、幾何学的な美しさはあるのですが、そこには日本庭園の池に見られるような有機的な優しさは見て取れません。

母性から一歩進んで、子宮の安らぎというメッセージも日本庭園の池からは読み取ることができますので、それを見る私たち「子供」の心が安らぎに満ちてくることはとても理解しやすいと言えます。

石に込められた先祖への思い

古来より日本人は自然物には全て霊が宿ると信じて、信仰の対象としてきました。

お墓参りに行くと何だか心が清らかになる経験をお持ちの方も多いと思いますが、それにも理由はあります。先祖を敬い、その存在をリスペクトし続けることで人間は「見守られている」という安心感を覚え、それが安らぎへとつながっていくわけです。

お墓が「墓石」なように、日本人はやはり大きな石をみると、そこに霊が宿ると意識の有無に関わらず考えるようになりますから、日本庭園にある大きな石にも同じようなロジックがあると思えてくるわけです。

日本庭園に様々なアクセントを与えてくれる大きな石ですが、先祖や霊魂、永遠というキーワードで改めてそれらを見るようにすると、心が安らぐ理由が見えてきますからとても興味深いですね。

植栽に込められた永寿への願い

日本庭園になくてはならない3つめの要素が、庭を彩る木々、すなわち植物達ですね。石と同じように自然物に霊を見出した先人達ですが、生命のない石に対して、生命のある植物達には、永遠に生き続けたいという永寿への願いを込めました。

日本庭園というと「松の木」を連想される方も多いかと思いますが、この松の木こそ永寿の象徴で、とてもおめでたい木です。

動物界の永寿の象徴である鶴と一緒に描かれる事の多い松の木を巧みに配置し、健康と長寿を何よりも願った先人たちの優しい思いに抱かれた時、私たちの心が安らいで来るのは当然の事と思えてきます。

今昔の分け隔てなく、「元気で長生き」は私達にとって最も重要なテーマですね。庭に植えられた松の木からそのようなメッセージを受け取ると、歴史の重みが電子機器に囲まれた私達の生活に疑問符を投げかけてくれているような思いに包まれてきます。

「そんなちっぽけな事で悩むんじゃないよ」と投げかける暗号とも言えるメッセージを日本庭園からは感じことができるのです。

景物に見る「人工美」の無常

「景物」とは日本庭園に配された灯篭など、人工的に作られたものの総称です。

自然物に囲まれた日本庭園にあって、唯一配されたこの人工物はとても美しいものですが、庭に配された灯篭を見ていると、なんだかとても侘しい無常感を感じてしまうようにもなります。

景物が美しければ美しいほど、それが「人工のものである」という侘しさを感じるようになります。

人間がどれだけ創意工夫を凝らそうとも、所詮は自然の織りなす美しさには足元も及ばない。でも、そうはわかっていても、可能な限りの知恵を絞って自然の美しさに立ち向かおうとした。そんな先人たちの「心意気」が景物からは伝わってきます。

そんな無常感も織り交ぜた「景物」と、「水」、「石」、「植栽」という自然物が織りなす日本庭園のハーモニーは、心の安らぎ以上に何か特別なものを私達に与えてくれているような気がしてきます。

心が疲れた時に限らずに、気が向いたら日本庭園を訪ね、先人たちの仕掛けた暗号と語り合ってみるのも良いのではないでしょうか?

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