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立地だけでなくメニューや味にもこだわった外食産業の生き残り戦略

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2014.01.22

ファミレス産業も随分変わった。学生時代は徹夜実験になると深夜営業しているファミレスは、ありがたい存在だった。 25年位前に外食市場の調査をした時は、店舗展開がテーマだった。

ロイヤルホスト、デニーズ、スカイラークの老舗ファミレス御三家が、株式市場上場を果たし、続々とファミレス企業が上場した。成長産業として注目された。その成長を支えていたのが店舗展開だった。

証券アナリストとしての分析は、店舗展開の成否が主だった。各企業とも、一つの店舗を中心に半径数十キロの円を描き、重複しないような店舗展開やライバル店を囲い込むような店舗展開で、シェア拡大を図っていた。これらの店舗展開は、スーパーの店舗展開と酷似している。

ファミレスの多くはスーパーのフード部門の多角化から始まった。スカイラークが現代ファミレス店第一号だ。セントラルキッチンを有し、完成直前まで料理されているものを用意しレンジやオーブンで完成させ客に提供するスタイルのレストランだ。

ドリンクバーやサラダバーを設置しコストを抑えた。しかし不況が進む中、売上減少が続き、2007年にスカイラークは更なる低価格路線のガストに切り替わった。人件費や制服をはじめとする様々なコスト削減を実現し、ガストとして低価格路線の先駆者になった。

低価格路線のため市場は97年をピークに縮小傾向にあった。しかし今年になり市場が拡大しつつある。今、全国のファミレス店舗数も数年前に底打ちし増加基調にある

コックが調理するロイホの売上増加

売上増加基調の一因が、ファミレス老舗御三家の一角であるロイヤルホストの集客アップだ。高度経済成長とバブル経済によって成長したファミレス産業もバブル崩壊と共に低価格路線を強いられたが、もともと高級イメージの強いロイホは路線に乗れず、店舗数はガストの約1/6になった。

調理を基本とするスタイルだから、価格は高目で時間がかかる。客は早くて安い店に流れロイホの売上は減少した。ところが近年になり、低価格路線店の客層の悪化と家庭でファミレスの味をコピーすることが普及し始め、客は低価格路線店から、少し高くても調理する店に移りはじめた。

落ち着いた店内と、簡単にはマネしにくい料理に目が行き始めたからだ。そのため美味しさに定評のあるロイホが売り上げを伸ばし始めた。

家庭でコピーできないプチ贅沢

家庭で簡単にコピーされてしまう味では、なかなか集客につながらない。そこで、低価格路線のガストやサイゼリアなどでは、味に工夫を凝らしている。クリームを落としロシアン風にオリジナルのオリーブオイルを使ってオリジナルイタリアンを作り出している。

メニューも外食関連団体が提示するガイドラインを活かし、産地明記でブランド化を図っている。『はみ出る大きさ』『トロッとジューシー』といった修飾語句をフルに利用し料理の名前に付した。うまく食欲を刺激している。

成長期は競合他社との競争重視の店舗展開で、拡大基調にあったファミレスだが、今はエンドユーザーに目を向けた集客で味に工夫を凝らしている。キーワードは『プチ贅沢』だ

近所のガストでは30代前後の主婦層の客が増えている。ウエイトレスの話では、友人たちと食事のためファミレスに行き、「100円ほどアップするが美味しそうだから」と少し高めの料理を注文する客が増えているようだ。

市中心部のロイホも、三年前は7割程度の客入りだったが、先日行ったときは満席だった。客層は平日の昼ということもありビジネスマン風の客が多かった。

相変わらず調理には時間がかかるが、その分メニューに挙がる料理の数は減っていた。少ないメニューであれば、コックが料理しやすいためだ。しっかりした調理は期待を裏切らない味だった。

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