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エッピンゲン村に日はのぼり:ドイツ南西部のくらし

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2013.08.06

ドイツと聞くとどのようなことを思い浮かべるだろうか。おそらく多くの方にとってドイツとは、ビールとジャーマンポテト、ソーセージ、メルセデス・ベンツ、BMW、サッカーが強い、F-1レーサーのミハエル・シューマッハ、…そんなイメージがあることだろう。

筆者もその程度のイメージしか持っていなかったのだが、実際にドイツに行き、ドイツの一般市民と共に生活する機会に巡り会った私は、心温かな人々と出会い、その日常の中から多くの驚きを発見することになるのだった。

それは飛びあがるほどおいしい野菜、日本のコンビニくらいの比率で存在するパン屋、男の子に負けずサッカーに熱中する女の子達、また、自転車にばりばり乗るお年寄りの元気な姿であり、諸外国からの移民によって持ち込まれた多様な文化や、100年以上前のおしゃれなアパートに住む人々だったのだ。どうだろう?おもしろそうではないか!

さて、今回は歴史ある田舎町エッピンゲンを簡単にご紹介することにしよう。筆者の友人のケビン君が住んでいる町なのだが、おそらくこの町に足を踏み入れた日本人はあまりいないのではないだろうか。

ガイドブックでも見たこともないし、観光客もさっぱり見かけない。町の中にいればおしゃれな住宅地だが、隣町まではずっと畑で何も無い。それでもこの町には本当に素敵なドイツの片田舎の風景が凝縮されているのだ。

フランクフルトから地図を南下していくと、ドイツ西部にメルセデス・ベンツで有名な町シュトゥットガルトがあり、その近くにはカールスルーエという町がある。

時々テレビでドイツサッカー、プンデスリーガがどうのこうのというニュースをやっているが、それを見ていると時々カールスルーエという名前のチームが出てくることがある。そのチームの地元こそがこのカールスルーエなわけだ。で、そこからしばらく鈍行電車に乗っていくとエッピンゲンという小さな町に着くわけだ。

東京にお住まいの方にわかりやすく言えば、シュトゥットガルトが新宿(そこまで都会ではないが)、カールスルーエが調布、エッピンゲンが町田市相原町といったところだろうか。

ケビンに案内されて街へ出ると、まず目に付くのは可愛らしい石造りの家々だ。

よく見ると、市の教育委員会が立てたようなその家の歴史が書かれた看板がそれぞれの家に立てられており、さながら町全体が歴史民族資料館のようなのだが、驚くべきはそれらの家々は築何百年になる古民家であるにもかかわらず、いまだに現役で人が住んでいるということなのだ。木造建築が一般な日本ではありえないことだろう。

町の広場にやってくると、なにやらにぎやかに人が集まっており、出店や屋台も出ている。何があったのかというと、今日は年に一度のジャガイモ&トラクター祭りだとのこと。

一般の市民に加え、年代物のトラクターを一目見ようとヨーロッパ中から集まった鉄道ファンならぬトラクターファンのおじちゃんたちも来ているとのこと!これはチェックしなければということで会場に行ってみた。

すると、筆者が田舎のじいちゃんちで見たヤンマーのトラクターとは比べ物にならないビンテージトラクターがたくさん!なんと、中にはディーゼルどころか、蒸気で動くトラクターまであった。大戦で負けたとはいえ、ドイツはさすがにもともと工業国なだけはあるなといたく感動したのであった。

その後、かつての村の中心部にあった見張り塔で、現在は歴史資料館になっている建物に登ることに。

この建物はかつて砦また牢屋としての機能も兼ね備えた重要な建物だったようで、隣接する建物にはかつての鍛冶屋や靴屋、薬屋などの人々の暮らしの場所を再現した展示がなされており、ヨーロッパの歴史と、物を大切に修理しながら使ってきたドイツの人々の文化を感じることができるのだ。

さらに、自転車がお好きな方にはぜひ訪れていただきたい場所がエッピンゲンにはある。エッピンゲンの駅前からHeilbronner Strasseという通りを抜けて隣町のStebbachに行く途中に、Eppingen Bikeparkという、町営?かは不明だが、タダで利用できるマウンテンバイクのコースがあるのだ。

初級者にはトレイルを満喫できるクロスカントリーコースがあり、上級者向けにはラダーなどが組まれた、本格的なフリーライドコースがあって、マウンテンバイク乗りたちにはヨダレがたれそうな環境なのだが、ヨーロッパにはこのようなコースが珍しくもないのか、それとも平日に行ったせいか、がら空きだった。近くまでお越しの際はぜひ立ち寄っていただきたい。

エッピンゲンの良さはまだまだ書き尽くすことはできない。その良さをぜひ多くの人に伝えたいが、できればあまり有名にはならないで今のままでいてほしい気もする…複雑な気持ちにさせる愛すべき町だ。

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