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給料よりも育成システムが重視される、中国人の会社選考基準!

お金よりも福利厚生

日本人にとっては「家庭も大事だが、まずは仕事が一番大事」というのが一般的な価値観かもしれませんが、中国人にとっては「仕事は確かに大事だが、世界で一番大事なのは家族」というのが一般的な価値観です。

「中国人にとっては」と書きましたが、これはいわばワールドスタンダードな考え方。良い悪いの議論はここではしませんが、「仕事仕事」と眉間にシワを寄せて自殺者を毎年3万人以上も生み出している我が国の考え方が、世界からみると「特殊」だということだけは、頭にいれておいた方が良いかもしれませんね。

世界の中でも特に家族というものを重視する中国人ですから、その傾向は会社選びの基準としても現れてきます。

「無駄な残業は多いのか」「仕事以外の付き合いはどれくらいあるのか」「社員旅行は過去どこに行ったのか」「会社の福利厚生の詳細は?」「オフィスの快適度合いは」「休暇に関しての会社の考え方は」などと、日本人には想像できないような事まで色々と質問を投げかけてきます。

面白い話があります。ある若い中国人が、自分よりも給料が安い友達の会社の社員旅行の行き先がヨーロッパだったと聞いて、彼は次の月にその友達の会社に転職をしてしまったという話です。

今の中国人にとって、ヨーロッパに旅行に行くことはそれほど難しい事ではありませんから、彼にとっては社員旅行でヨーロッパに行くことが羨ましかったのではありません。

社員旅行という日本人にとってはあまり興味がわかないことにも、そこに会社の福利厚生意識、つまりは会社がいかに社員を大事にしているか?という、彼が会社に最も求める事柄をそこに見出したゆえに起こした行動と言うことができそうです。

福利厚生がしっかりしている会社は、無駄な残業が少なかったり休みが多かったりして家族と過ごす時間を多く与えてくれます。

日本人にも面接の時に福利厚生について質問をする人がたくさんいますが、あまり突っ込んだ部分まで質問を投げかける人は極めて少数です。

仕事というものを第一に考える日本人が、その人生で最も大事な時間を過ごす会社の労働環境にあまり深い関心を抱かないのは、中国人の会社選びの基準を参考にしてみると、なんだかとても不思議な感じがしてきます。

会社は自分の人生の大部分を預ける最も重要な場所になるわけですから、その福利厚生にはもっと強い関心を持つべきではないでしょうか。

お金よりも教育システム

3つめに挙げさせて頂きたいポイントが、中国人は会社選びをするときに、給料と同じくらい、会社の教育システムがどの程度完備されているかをとても強く意識するという点です。

これは裏を返すと「会社が自分というものに対して、どの程度の期待をし、その成長にお金をかけようとしてくれているか?」をとても重視するということであると言うことができます。

中国の会社の社員研修というものを私は何度か見たことがあるのですが、そこには日本人が想像するような光景はまず広がっていません。

日本人が社員研修を受けるとなれば、相手に失礼のないように一応真面目に受けている「フリ」はするものの、メモ帳の中身は当たり障りのない報告書を書くためのメモばかりで、とてもポジティブな姿勢は見て取れないというのが一般的な光景です。

しかし中国ではこの真逆で、研修から何かを学び取ってやろうと真剣勝負の空気が常に流れていて、午後の時間でもコックリコックリとしてしまっている人など見かける事はまずありません。

終了後に感想を聞いて回っても、日本人ならば「参考になりました」とか「職場でも活かせる情報をたくさんいただきました」とか、当たり障りのない感想ばかりが集まるものですが、中国では「もっとこんなことも学びたかった」とか「こういう時間を与えてくれた会社に感謝をしたい」とかとても具体的でポジティブな意見がたくさん出てきます。

日本ではとかく現場で仕事を覚えることが重視され、それはそれでとても大切な事だとは思うのですが、やはり時にはお金を使って、外部から様々な刺激を入れて社員を教育した方が、社員のためにも会社のためにもなると私は思っています。

自分のスキルアップに関して、会社はどれだけ手助けする覚悟があるのかを質すことは、視点を変えればあなたの権利であるという事もできます。

自宅と職場を往復しているだけでは、豊かな人生を歩むことはできませんから、人生の可能性を切り開いてくれるオフJTで学べる事に関しても、もっと関心を強く持つことをおすすめします。

中国人の向上心というものは、恐ろしくなるほど強いものですが、参考にできるものは参考にして、我ら日本男児も頑張ろうではありませんか!

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