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男も思わず共感してしまう!?恋愛小説の魅力

恋愛小説なんて、女性だけが読む物って思っていませんか?

この考えは恋愛において命取りです。知らず知らず見ているドラマや映画も小説から映画化されていて、その数は数え切れません。ドラマや映画と違って、文で構成されている小説は「自分から読む」という行動をしないとその中に書かれた中身を知る事が出来ません。

小説は、まさに恋愛と同じで、自分から動かないとそれが自分に何をもたらすかが分からないところに面白さがあります。今日は、普段小説なんて読まないといった人にこそ是非読んでみて欲しい恋愛小説をご紹介したいと思います。

今現在の恋愛や過去の恋愛に照らし合わせて読む

恋愛というのはいくら数をこなして、どれだけ分かった気になっても、いざという時どうしたらいいか分からなくなったり、相手が何を思って行動しているのかの答えを色々な方法で探ろうとしてしまうもの。

「事実は小説より奇なり」というが、普通に生きていて普通の恋愛しかしていない人にすれば「小説は事実より奇なり」と感じるはずだ・・・。いくつか、そんな小説を紹介しよう。

・「サヨナライツカ」 作者 辻 仁成

この本を手にするきっかけは、意外な所から始まった。お金について学びたいと思っていた時に、ある本に出会ったのが事の始まりだった。

その本は主に資産運用について懇切丁寧に書かれた本で、資産コンサルティングの逢坂ユリさんが書いた「夢とお金をつかむキャリアのつくりかた」という本だった。この本の中で、逢坂さんが当時の上司の方にオススメしてその反響が多かった本として記してあったのが、この「サヨナライツカ」

逢坂さんがご紹介した方のほとんどが、内容について色々と考えさせられたと言ったそうです。そういった件もあり、興味本位でこの本を購入し読んだが、結果「号泣」した。

この本は映画化もされており、主人公を西島秀俊が、ヒロインを中山美穂が演じている。映画で流れる、中島美嘉の「ALWAYS」も心に響くバラードだ。

簡単に内容を説明すると、既に婚約している女性がいる主人公が、出張で海外へ飛ぶ。その出張先で、ある一人の女性と出会うところから物語は加速して行く。誰かをまだ本気で忘れられない人や、一度に二人を愛してしまっている人、また過去にそういう経験をした人は、是非読んでみて欲しい。この映画の中で、こんな問いかけが出てくる。

「人は死ぬときに愛された事を思い出すのか、それとも愛した事を思い出すのか・・・」

今の貴方はこの質問にどう答え、死ぬ時もその答えが変わらないのか・・・。是非、この本を読んで貴方自身でその答えを見つけて欲しい・・・。

・「美丘」 作者 石田 衣良

この本は知人に勧められたのがきっかけだった。作者の石田衣良は、あの「池袋ウエストゲートパーク」を書いた関東出身の作家だ。「池袋ウエストゲートパーク」はドラマになっていて人気があったが、自分は相当後にその時仲が良かった女性から教えてもらい読破し、作者にも惚れた経緯があった。

この「美丘」は「クロイツフェルト・ヤコブ病」という難病と闘う少女と、その少女に恋した主人公の二人が真の愛とは何か?という事を深く考えさせてくれる物語。

話の中にはパンク好きな彼女がパンクミュージックを語り、ヴィヴィアンウエストウッド等のパンクファッションも登場する。音楽好き、特にパンク好きにも読んで欲しい本。昔、パンク大好きな酷く攻撃的な女性と付き合っていたのを何度思い出した事か(笑)。

また、大切な人が病に侵された時の無力感も手に取る様に伝わってくる。本当に自分が無力と悟った時にこそ、そこで何をするか?人間の真意が試される時ではないだろうか?是非この作品を通じて、形ある物だけが愛ではないのかも知れないと感じてみて欲しい。

・「パイロットフィッシュ」 作者 大崎 善生

タイトルのパイロットフィッシュは、熱帯魚を飼う前に適した環境にするために飼う魚の事を指している。ここでも深い言葉が当時の自分を大いに悩ませたのを覚えている。それは・・・

「人は一度出会った人間と、一度発した言葉と二度と別れる事は出来ない」

という文だ。この物語は「記憶」に焦点を当てて話が構成されている気がするが、「出会いと別れ」の不思議な関係性についても、バラエティ豊かな登場人物達が織り成す人間関係の中で巧みに表現していると感じる。

大人になるという事は、複雑に物事を考える事が必然的に増えてくる事とも思うが、実はとてもシンプルに考えればいいんじゃないかと思わせてくれたのがこの作品だ。多少ドロドロとした内容もあるが、読み終わった後、何故か心が温かくなっていたのは自分が疲れていたせいだったのだろうか・・・。

・「夜の桃」 作者 石田 衣良

この作品は無類の女性好きとプレイボーイな人、もしくはそれが原因で女性を失ってしまった人に読んで頂きたい。夜の桃は、つまり夜見る女性のお尻だ(笑)。脳裏に焼きついて離れないのは貴方だけじゃないからご心配なく(笑)。

これは、とにかくエロい!官能小説とまではいかないが、男性の願望を上手く描写していると思う。

主人公は会社の経営者で、業績もうなぎのぼり。奥さんも美人で、尚且つ、これまた美人の愛人までいるという始末。まさに公私共に順風満帆の生活を謳歌している。しかしそんな中、会社に新入社員の若い女性が入社してくる。ふとした事からその新入社員の女性とも肉体的関係を持ってしまい、そこから男の多忙を極める生活が始まる(笑)。

これは最後の結末に大笑いしたのと、何故か安堵の気持ちが隠せなかったのを覚えている。スケベな男性には、是非読んで、考えて欲しい。

・「流れ星が消えないうちに」 作者 橋本 紡

この本を手にとったきっかけは、いたって単純だった。それは「星」が題材としてあったからだ。自分自身、何故「星」が好きなのかと言われると、一言ですぐ答えられない。しかし、恐らく星が持つ独特な神秘さを本能的に感じているからではないだろうか?

昔、新宿に行った時に都庁から見る都会の輝く光と赤く明滅する航空障害灯に、ふいに心を奪われた事があった。しかし一方では、何かを得るというのは何かを失う訳で、あの光のせいで上空に存在し、確実に瞬いている星の光は地上に届かなくなっているのだ。

本書ではプラネタリウムも出てくる訳だが、都会の光を消した時、どれ程の星が貴方の頭上に瞬いているか知ったら、貴方はどちらが本当にいいのか、すぐに答えを出せないと思う・・・。

この物語は、死んでしまった人と星をとても美しく絡ませている。恋愛と星・・・この二つは切っても切れない関係なのかも知れない。

いかがだっただろうか?面白そうと感じて頂けたのなら幸いだ。本を読むには、何かのきっかけが必ずある。誰かのそのきっかけを作れたとしたら、それはとても素晴らしい事だと私は思う・・・。

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