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プロ野球二軍戦を楽しもう!オリックス球団の試み!

片田舎にプロ野球がやって来た!

大阪府南東部に位置する富田林市。大阪市内からは電車で約30分の緑豊かな街だ。中心駅の富田林駅からさらにバスで約30分の所に富田林市立総合スポーツ公園野球場がある。ここまで来ると、風景はすっかり片田舎だ。こんな地に、プロ野球がやって来た。

と言ってもウエスタン・リーグ、即ち二軍戦だが、プロ野球の公式戦には変わりない。試合が行われたのは2013年7月14日の日曜日、オリックス・バファローズ×福岡ソフトバンク・ホークスの一戦だ。

後ろにそびえるのは大阪最高峰の金剛山。こんな片田舎でプロ野球ファームの公式戦が行われた

スタジアムニックネーム協定により、球場名が富田林バファローズスタジアムに

2012年に、初めて富田林でオリックス主催の二軍公式戦が行われた。この時、筆者は早めに行ったにもかかわらず入場券は売り切れだった。この大盛況により、2013年の1月にオリックス球団と富田林市が「スタジアムニックネーム協定」を結び、球場名を「富田林バファローズスタジアム」とした。地方球場に球団のニックネームが付くのは珍しい。

スコアボード裏には「富田林バファローズスタジアム」の文字が掲げられた

富田林市立総合スポーツ公園野球場は1997年のなみはや国体のために建てられた新しい球場で、軟式野球競技が行われた。

両翼95m、中堅120mという広さを誇り、内野は黒土で外野は天然芝、ネット裏には1,000人収容のスタンドに内外野には1,500人収容の芝生席、スコアボードは電光掲示板で、ナイター照明塔4基を備えるという、ファームの試合を行うには充分な設備を備えた球場だ。

実は筆者も、会社のソフトボールでプレーしたことがある。しかもナイターだった。黒土と綺麗な芝生とカクテル光線に感動した憶えがある。

富田林バファローズスタジアムの全景。両翼95m、中堅120m。ナイトゲームも可能という立派な球場だ

スコアボードは電光掲示板

ファームは野球文化の原点

オリックスは富田林以外でも兵庫県丹波市に淡路島、大阪府北部の豊中市や高槻市、さらに東大阪市や京都市、奈良県橿原市でも二軍主催試合を行う。これは非常にいい試みである。オリックス二軍の本拠地は、ほっともっとフィールド神戸の隣りにある神戸サブ球場と、裏六甲のあじさいスタジアム北神戸だが、関西近郊で「地方開催」するのは実に有意義だ。

神戸サブや北神戸での試合は大人500円、子供無料だが、富田林では当日券で大人1,200円、子供600円となっており、いささか不公平にも思える。だが、そもそも日本のファームでの公式戦はあまりにも安すぎ、むしろ大人1,000円程度は取ってもいいと思う。

球団によっては、二軍戦は公式戦でも無料としているチームもあるが、これは言語道断である。ファンにとっては有り難いが、プロ興行である以上、観客から観戦料を徴収するのは当たり前だ。たとえファームでも、プロと名乗る以上はファンから入場料を戴き、そこから給料を得るというシステムにするのは当然である。

アメリカ(カナダを含む)には広い国土にメジャー球団が30チームあるが、アメリカ野球を支えているのはマイナー球団だ。マイナー球団はメジャーの親球団とは関係ない中小都市を本拠地とし、独立採算制を採っている。

収入源となっているのは、広告料以外では地域住民からの入場料やグッズの売上だ。地元ファンの支持があるからこそ、マイナー球団の経営が成り立つ。アメリカ全土にある無数のマイナー球団が、アメリカ野球の土台となっているのだ。

アメリカのファンは「わざわざ遠い大都市のメジャーチームを観に行くよりは、地元のマイナーチームを応援した方がいい」という考え方がある。

二軍戦は楽しい!球場へ足を運ぶとその楽しさがわかる

実際に、二軍戦は楽しい。1,200円という値段は一見高いが、一軍戦に比べると格安で、しかもネット裏の特等席で野球を見られる。もちろん一軍に比べるとレベルは低いが、それでもアマ時代に騒がれた有望な若手を見られるし、怪我や不調で二軍調整中の一流選手が出場することもある。

ちなみにこの試合では、1億円プレーヤーの後藤光尊が先発出場していた。まあ、本来ならこんな所にいてはいけない選手なのだが……。

一軍戦では敷居が高くてなかなか観に行けなくても、二軍戦なら手軽に楽しめる。日本の球団も、もっと二軍戦を真剣に考えるべきである。事実、富田林には大勢のファンが集まり、プロ野球を楽しんだのだから。

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