> 趣味・ライフスタイル > 大人としての義務!子供たちに「道」を返してあげることとは

大人としての義務!子供たちに「道」を返してあげることとは

このエントリーをはてなブックマークに追加
2013.09.11

「道」の話をしましょう。と言っても、「人の道」などという高尚な話ではありません。犬や人や車の通行している、あの汚れた道路の話です。道路は、昔はコミュニティーのステージでした。でも今は主として自動車が通るためのスペースです。地域を分断しているあの「道」に注目して、大人がどうしたらいいのか考えましょう。

「道」の機能は地域力の土壌だった

その昔、「道」は子供たちの遊び場でした。生活のステージでした。地べたに線を引いては、石蹴りや縄跳びや鬼ごっこなどあらゆる遊びを工夫して、子供たちはそこで暮らしていました。

「道」はまた、大人たちにとっても遊びと憩いのコミュニティー空間でした。縁台将棋、井戸端会議、季節季節でテントを張って祭の神輿を飾ったりして、近所との和を図る楽しい空間でした。

振り返れば文明の発祥と共に、「道」は人間同士の交流の場として、露店商など商品売買も含め実に多機能な働きを果たしてきました。言わば地域力の土壌として、「道」の持っている多機能性は何よりも不可欠であったのです。

物流機能に単純化された「道」

それが今はどうでしょうか。一部の道路は「歩行者天国」だとか「イベント広場」だとかに開放されて、「公園機能」を発揮していますが、それは全体的には観光都市などのごく一部に見られる現象です。

住宅地域・農村地域等の一般の道はどうでしょうか。「道路は自動車の通行のためにある」という単一機能に純化されて、それ以外は暴力的に排除されているとは言えないでしょうか。

もともと経済発展の原理から言うと、「分業」が最も効率的なものですから、靴屋は靴ばかり、肉屋は肉ばかりつくって生産性を上げてきました。ですから道路も機能を純化させることで、経済性を格段にアップさせてきたのです。

こうして道路は、物流の手段として経済成長に大いに貢献しました。道路を疾駆する自動車を生産販売する企業は、基幹産業になって国の経済を牽引もしました。

ガキ大将も「道」とともに消滅した

その反面、かつての遊びのステージを奪い去られた子供たちはどうしたのでしょうか。皆さんの家の周辺に目をやってみましょう。子供たちは、白いガードレールに区切られた狭いスペースに押し込められ、痛々しい悲鳴を上げてのたうっているではありませんか。

なるほどあちこちに児童公園は設置されています。でも得てして子供の姿は見られず、ブランコもおすべりも寂しそうに無人の時間を持て余していませんか?

昔の「道」の持っていた「子育て機能」は減殺されてしまいました。子供たちはとりあえず家の中に閉じ込められ、子供部屋でスマホと遊んでいるようです。そうでなければ塾とか教室通いです。親は親で、生活が全て商品化されているため、現金欲しさに夫婦して働きに出ますから、子育てができず少子化。

兄弟も少ない子供たちは、機械とばかり遊んだ結果、コミュニケーション不全症候群が社会的に登場しました。昔の元気な「ガキ大将」は「道」の消滅と共にステージを失い、子供同士の異年齢交流が激減しています。

「道」は地域を分断するだけ

昔の「道」を思い出してみましょう。釘1本、ビー玉数個、空き缶1つでもあれば、子供は「道」で一日遊べました。いや、何もなくたって泥団子をこしらえ、葉っぱに並べてままごとで遊びました。木の枝や雑草とでも仲間同士の遊びを無限につくり出して、真っ赤な夕日の沈むまで大声上げて飛び回っていました。

今は数万円もするゲーム機を親にねだり、親は親で後ろめたさから財布のひもを緩めています。これがまた日本経済を後押しして、浪費が浪費を生み経済は活性化したのでしょう。

昔の「道」には遊び心があり、チャンバラにもメンコにもベーゴマにも「心の生産力」がありました。子供同士の「社会」があって子育てが自然にできました。

今の「道」には経済生産性はありますが、地域を分断こそすれ、地域力の母体にはほとんどなっていないのです。地域力があれば、たとえ親がいなくても地域が子供をある程度は育ててくれます。今は親がだめだと、子供もだめになっていくしかありません。放置されたり、可哀そうに絞殺されてしまう子供さえいるようです。

「道」を子供たちに返してあげよう

「道」のない社会で育った人間が、親になって子供をつくります。心の未熟な親もいるでしょう。その子供は「道」のない社会で、車を避けてはブラウン管とにらめっこして成長していきます。そしてバーチャルな架空の人生にのめり込み、若いのに変に耳年増になり、真の感動を味わう舌を腐らせていくのかもしれません。

農耕社会だったころの地域の共同作業もなくなり、「道」は死に地域が砂漠化していくのを何とかして食い止めたいものです。「道」という空間を、再生させる発想と行動の実践者は大人たちです。子供たちに「道」を返してあげようではありませんか。

スポンサードリンク
スポンサードリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加