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熟年者の朝散歩の仕方と、それが精神衛生に与えるメリット

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2014.04.09

早朝、私のようなオヤジが近隣を散歩する精神的メリットについて語りましょう。足の裏で大地を感じながら、小一時間ほどゆっくりと歩きます。私の家の周囲は半農村ですから、自然が肉体と精神を強く抱きしめてくれます。草の匂いのする大地というものは、まことにいいものです。

大地から時間の温かさを吸い上げる

土というものは生命の拠り所です。土が病めば、人も病みます。土の死は、すなわち人の死です。大地の温かさというものは、言い換えれば大地の経てきた「時間」の温かさだと言えるかもしれません。

地球の年齢は、46億年だと言われています。46億歳の土の上に自分の足をぴたりとのせて、一歩一歩軽快に歩くのです。そう思えば、足の裏から何かが駆け上ってくるような気がします。

生命は時間によって生かされている

大地というものはただの「場所」であって、地球は「容器」にすぎないと見る人もいることでしょう。けれどもさまざまな作物たちは、土の中で時間という肥料をたっぷりと食み、ゆっくりと命を育みます。

命とは、時間のことだと言った人もいますが、確かにそうだと言えます。時間は永遠のパラドックスですし、命はその時間によって成長していく命であり得るのです。

じっくりと生物の速度を感じ取る

スローライフはいいものです。癒しというものは、ゆったり感の中に住むニンフのようなものです。大地から離れた人間は、車や飛行機や新幹線で、効率一点張りの人生をあわただしく生きています。

しかし人間は、心臓の動くテンポで、植物の育つ速さで、じっくりと時間を味わいたいものです。機械のテンポは嘘のテンポです。人は生きているのですから、知識だって、愛だって、生物速度でしか育ちません。田舎に限ることはありません。

都会でも同じことはできます。東京の六本木を散歩したって、並木は豊富ですし公園もあります。人の家の庭木を見ながらの散歩も上等でしょう。上を仰げば広大な天空があります。雲を見、風を感じて、大自然を友として散歩しましょう。

健体康心ということを大切に

オヤジと呼ばれるほどの年齢になった男なら、大地の年齢を自分の肢から吸い上げて、地球の心を抱きしめて歩きましょう。肉体の健康も大切ですが、魂の健康はもっと大事です。「健康」は「健体康心」の略語です。健やかな体と康らかな心が整ってこその健康です。

オヤジはオヤジらしく、年相応の幸せと不幸せを噛み締めて生きていきましょう。地上に生命が誕生してから何億年でしょうか。自分の命は確実にそれとつながって、脈々とDNAをバトンタッチしてきた命なのです。一人一人の命は、そのまま大地の命だと言っても少しもおかしくはありません。

他人並みでなく自分並みがいい

「世事紛々、全て痴に似たり」です。自分を回顧してみても、他人に誇れるものなど何一つないけれど、他人並みなどどうでもいいのです。ただ、自分並みに歩いていきましょう。

飾りばかりが目立つ、華美な社会だと言えるでしょうが、地味なオヤジは地味なままでいいのです。目立ったりはしゃいだりする必要はありません。経験豊富なのですから、少しは心に重石を持ち込んで、軽々しい言動は慎んでみようではありませんか。落ち着いた精神には「風格」というものが宿ります。

座禅するのと同じ効果があります

朝の空気は実によいものです。「朝こそすべて」と言った人もいます。一日の英気をここで養い、歩きながら今日のテーマをほっくり噛み締めるとよいでしょう。がつがつ歩く必要はありません。誰かと競走なんかするのは噴飯ものです。自分の心の歴史の中を歩くのです。幼いころのふるさとの道を思い出して歩くのです。

それはいわば魂の散歩です。大自然の虚空を感じて歩きます。生臭い人間社会の価値観からしばし離脱して、無心になって足を運ぶのです。ちょうど座禅するような気持ちで歩きます。すると、坐しているうちに自分を忘れます。それを「坐忘(ざぼう)」と言います。そうすればこの世に何も怖いものなどなくなります。ものごとを畏れる気持ちが消えて行きます。これを「施無畏(せむい)」と言います。

自覚して歩けば精神の薬になる

このように、自分をおおらかにするものが朝の散歩です。細かいことは考えずに、ざっくりと人生全体を素手でつかみ取り、自分の過去から逃げるのではなく、夢を諦めるのでもなく、ただ成すべきことを成し遂げていく心の姿勢で悠然と歩きましょう。

自分に似合わぬことには手を出さず、知友を大切にし、恨まず妬まず人を押しのけず、自分に正直に生きていけばそれでいいのです。それだけ自覚すれば、熟年者の朝の散歩は、精神のすばらしい薬になります。

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