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富士山の世界遺産登録で危惧される富士記念登山に走る大人達の増加~前編~

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2013.08.25

富士山が世界遺産に登録され、初めて迎える登山解禁日。山小屋もいっぱいで眠れないほどの混雑状態です。まるで雑誌に紹介されたレストランに常連客が来られなくなるような感じで人が群がる富士山。この記念登山について富士登山常連者の思いは?

富士山登山

富士山は、車で行ける5合目から標高1200mを自分の足で登らなければなりません。山小屋で1泊して1泊2泊で登頂して御来光を拝みます。登山の途中には崖もあり、溶岩で足場の悪い所もあり、決して楽な登山ではないのに毎年登って山頂からの景色や御来光を拝む登頂常連者がいます。

こんな厳しい登山でも毎年登頂者がいるのは、雲のはるか上の山頂から眺める景色や御来光は涙が出るほど素晴らしく感動するからだそうです。1度登るとその感動が忘れられずに再び見ずにはいられず、きつい登山でも体力が続く限り登りたくなるのだそうです。

毎年登頂する人は顔見知りになり、長年の友のように山小屋でも語り合うようになるのだそうです。決して楽でない富士登山だからこそ、お互い励まし合い連帯感が生まれるのでしょう。

富士山が世界遺産に登録されて記念登山者殺到!

この日本の誇る美しい富士山は2013年、世界遺産に登録されました。そこで同年の山開きは世界遺産登録の記念登頂を志すものすごい人が殺到したのだそうです。富士登山の素晴らしさに日本中が注目する事は良い事だと思います。

ところが、富士登山はその辺のハイキングコースとはわけが違います。危険な場所もたくさんありますし、標高も高いので酸素も薄く急性高山病にかかる恐れもあります。また、山の気候は変わりやすいので、本格的な登山装備を備えて行かなければ命取りになりかねない危険な登山なのです。

だから危険な登山だという事を十分に認識し、万全な態勢で登山に臨まなければなりません。初めて富士登山をする人は、最低限必要な装備を新たに購入するだけでもなんと14万円もかかるのだそうです。

それだけの装備をして登山しなければ命にかかわるのです。もちろん初心者は山岳ガイド付きで山の専門家の指示に従いながらゆっくりと自分のペースで登る必要もあります。

富士山の美しさ、素晴らしさばかりが強調されていますが、その裏では事故もたくさん起きているのです。例えば最近は若者の「弾丸登山」なるものも流行っているのだそうです。

弾丸登山とは、5合目から富士登山を開始して若さにまかせて徹夜で登頂を断行してしまう登山方法です。この弾丸登山が流行ってしまう理由の1番の原因は、仕事が忙しく休みが十分に取れないが、「せっかく登るのだからどうしても頂上から御来光を眺めたい!」という強い希望からです。

また、富士登山希望者の増加により、山小屋がいっぱいで、「山小屋ではゆっくり寛げないので、それならいっそのこと登山を続行しよう!」という理由もあるのだそうです。

でも富士山の登山は山頂に行くほど厳しく、標高が高くなるにつれて酸素も薄くなってきます。山小屋で十分に休養を取らずに登山を続けると、8合目あたりでは疲労困憊となり、呼吸も荒くなります。それなのに酸素はどんどん薄くなるのです。

このように体内に必要な酸素が不足してくると急性高山病になってしまう可能性が高まり、何とか山頂に到着しても、山頂に到着して御来光や美しい景色を眺めた途端、めまい・吐き気・頭痛で立っていられなくなってしまうのです。このようになってしまっては急いで山を下りなければなりません。持参した酸素吸入ボンベでは全然足りません。

それに急性高山病になった人を独り下山させるわけにも行きませんので、皆で下山しなければなりません。山頂に到着したならまだしも登山途中だったら皆に迷惑をかけてしまいます。

弾丸登山の恐さはこれだけではありません。ただでさえ富士登山は厳しいのですから、会社帰りに疲労したまま登山を開始し、しかも寝ないで登山なんかしたら、まず疲労で注意散漫となります。

さらに富士登山にはロープが無いと登れないような崖のような急な山道や溶岩路の足場の悪い個所もたくさんあるのです。体力が有り余った状態で登山を開始し十分に山小屋で休養を取って登山しても山頂まで登るには大変なのです。

このような大変な山路を弾丸登山するなんて自ら遭難を目指すといっても過言では無いほど無謀な試みなのです。富士登山常連者は決してそのような事はしません。登山中の事故は自分だけでなく一緒に登った人にも山岳救助隊にも多くの人に迷惑をかけてしまいます。

富士山の世界遺産登録の記念登山的気分で登頂するには富士山は少し本格的すぎる登山です。富士山の8合目や山頂あたりには鳥居もあるのです。鳥居があるという事は富士山は神聖な山なのです。世界遺産登録は目出度い事ですが、富士山は「記念登山」というような軽い気持ちで登る山ではないのです。

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