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「就職に有利!」という言葉につられて資格取得するのは要注意!

「就職に有利な資格」でネット検索すれば、さまざまな企業調査の資格ランキングが出てきます。多くの場合、「未経験でも有利な資格」と謳われています。でも、その言葉を鵜呑みにしてはいけません。決して嘘でたらめという意味ではありませんが、利用の仕方によっては資格取得が邪魔にもなることもあるということです。

そこで、有効な資格の取得の仕方、成功例と失敗例を挙げて説明しましょう。

成功する資格取得~新卒版~

「未経験でも採用されやすい資格」で役立つ資格の中で、どの業種の企業でも役立つのはTOEICでしょう。TOIECのスコアが700点以上あれば、新卒でも中途採用でも有利な資格となるでしょう。

その他「未経験でも採用されやすい資格」は、志望企業に関係ある資格や学生時代の専攻に関係の深い資格なら、新卒の場合のみ資格取得が就職に有利に働きます。

新卒の入社試験では、全員が学生なのですから、全員が社会経験未経験者なのです。そんな中で、資格取得者は、能力のアピールとなります。経験が無くても知識があるので、基礎から教えるよりは、経験の機会を与えれば即戦力となるという意味で有利です。

まず、TOIECはスコアによっては、却って不利に働くこともありますので、そのボーダーラインを知っておきましょう。もしあなたのTOIECのスコアが650未満ならば書かない方が良いでしょう。650点というと英検の2級レベルで、大学受験程度の学力だと考えられています。

もし、TOIECのスコアが650点に届かないのであれば、一般常識としての大学入試レベルの英語力に欠けている事をアピールしているようなものです。

そこで、履歴書に書いて有効となるTOIECのスコアのボーダーラインは、700点です。しかし、外資系企業は例外でボーダーラインは790点以上だそうです。英語力を企業に特にアピールするなら、日本企業ではTOIEC 800点以上、外資系では860点以上が目安だそうです。

その他の就職に有利に働く未経験資格は、経理なら日商簿記2級以上、人事・総務・福利厚生なら社会保険労務士・FP2級以上、中小企業診断士、情報処理技術者(ITパスポート・ネットワークスペシャリスト・MOS)は有利でしょう。

また、建築業界なら1級・2級建築士、不動産業界なら宅建etc・・・その業界や職種に役立つ資格を取得していたら採用段階で有利に働きます。情報処理関係の国家資格は、文系だけでなく、技術系の職場でも役立ちます。どの企業でもIT化は進んでいますので、重宝されます。もちろんIT業界では言うまでもありません。

しかし、一般的に資格よりも経験の方が重要視されます。実は昭和の時代は、このような資格は無く、企業内では、先輩が新入社員に日常の業務の中で指導することで、知識も技術も身につけて来た歴史があるからなのです。知識だけあっても、実務経験が無ければ即戦力にならないというのが実情なのです。

しかし、新入社員は全員未経験なのですから、せめて知識だけでも知っていれば、実務の中でその知識が裏付けされやすく、一人前になるのも早いと考えられています。そのため、例外的に新卒の学生さんには、資格取得が就職に有利に働くのです。「未経験でも就職に有利!」と謳われている職種が多いのはこのためです。

また、新卒の採用なら、職種に関係ない資格の取得が趣味・興味から高じたものであるなら変わり種として人格評価の点で高評価されることもあります。但し、学生時代の趣味・興味からの資格取得が有効に働くのは、語学や仕事関係の資格を資格した上でのことですよ。

成功する資格取得~転職版~

転職においての有利に働く資格は、経験を伴った資格だけです。しかし、語学は例外で、しかも語学の得意な人はかなり優遇されます。

また、幼い頃からパソコン関係が得意で、趣味でHPやプログラムやゲームサイトを作って遊んでいたような人は、職種の経験が無くてもプライベートが長年の経験と考慮されますが、職務経験では実力が裏付けされませんので、IT関係の資格取得で実力を裏付けし、自分が作成したゲームソフトやHP等を提示することで職務経験に代えることもできます。

IT関係の企業は自分の作品を提示できれば職歴は関係ない場合もあります。

また、中途採用の場合、職務経歴書で応募者の能力を判断します。そして中途採用の応募者の競争率は高く、似たような職務経歴なら、職務経験の実力を証明するような国家資格を取得していれば、資格者の方が有利となるでしょう。

特に事務系の就職が困難な40歳以上の人ほどその必要性が高まります。例えば人事・総務系の管理職の求人の場合、最近は高齢者の再雇用や障害者の雇用等々の補助金や、セクハラ・パワハラの問題等、労働問題や社会保険関係の法律が複雑になってきました。

そこで、そのような関係の部署で、管理職が社会保険労務士や中小企業診断士の資格を持っていたら、法律に詳しい管理職として期待され、就職に有利に働くでしょう。

他にも経費削減で社宅や保養所の売買や賃貸で不動産部門を新しく作ろうとした部署に、宅建の資格保持者がいれば免許登録して企業が社内でそういった部署を作るだけで、そのまま不動産取引が可能となります。

また、経理に長く勤務している人なら、簿記1級や税理士の資格を持っていれば社内監査も楽になるというものです。企業での経験を裏付ける法的知識が活用されるわけです。

一方、今までの職歴と全く異なった職種へと転職したい人もいるでしょう。その場合は、一般企業ではなく、個人経営のその資格の専門事務所に就職しましょう。そこで、例えば新米弁護士のイソ弁のように見習いから始めて一人前になっていくのです。最終的な目的は独立して、一国一城の主です。

例えば、一流企業の管理職だった人が、早期退職をして心機一転、社会保険労務士や税理士になるのです。定年までそこそこ大手の事務所で新米として働き、定年したら、年金の小遣い稼ぎのように細々と開業するのです。

新米と言っても大企業で今まで働いていた人ですから、さまざまな人脈を持っています。資格者としては新米でも、人生経験と人脈が、大手事務所の社長には非常にありがたいのです。新米資格者を介して新しい取引に利用させてもらうこともできるからです。人間関係さえよければ最高に働きやすくなるでしょう。

失敗する資格取得

新卒の場合は、大学の専攻に全く関係ない安易な資格ばかり取得している人は、資格を持っていることが全く評価されないだけでなく、一貫性が無く、何がしたいのかわからないという批判を受ける場合もあります。

中途採用の場合は、企業は即戦力を求めていますので、資格よりも経験重視なのです。職種に関係ある資格でも経験が無ければ、経験の無い資格者を採用すると、即戦力にはならないにも拘らず、資格手当が必要になることもあります。そこで多くの企業は「資格は要らないので経験が欲しい」と考えます。

それに、今までの職種から急に新しい職種へ変わろうと思った人は、まずその理由を聞かれます。多くの場合は、何かしら前職の労働環境に不満があったからだと思いますが、前の職種を悪く言うことは面接の際にタブーなのです。

まだ第二新卒なら全く異なった職種でも熱意だけで未経験から採用される場合もあります。先述したように資格がある事が就職の邪魔になることもあるので、その職種に役立つ資格を持っていても、履歴書に記載せずに熱意で就活し、就職してある程度慣れた頃、資格を持っていることを上司に伝えると給料アップにつながる事もありますよ。

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