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会社で存在感がある人間になるための5カ条!~後編~

4.仕事ができる人は、逃げ足も速い!

「逃げ足の速さ」とは、危機回避能力です。情報を収集することで状況を読み、洞察する能力が無ければ、この危機回避能力も発揮できません。危険を回避するためには、危険が表面化してからでは手遅れだからです。

簡単な例を示しましょう。新入社員の研修用に広報が企業内の撮影を「○月○日○時~行います」という細かい撮影スケジュールのメールが送信されました。いくら新入社員研修用とはいえ、テレビ撮影を嫌がる人が多く、その撮影時間にはいつの間にか事務所から半分以上の人が消えていた、といった状況が起こったそうです。

逃げた人達は、仕事を中座しても広報が来る時間を把握していたわけです。仕事に集中してうっかりしていた人達が半数ほど事務所に残っていて、広報が来て「しまった!もうこんな時間!」と思っても後の祭りです。後悔しながら苦笑いで仕事風景を撮影されてしまいました。

一見真面目に仕事をしていた人が広報に捕まったように思えます。でも、そうではありません。捕まった人達は視野が狭く、自分の仕事だけに集中していたということです。数日前の情報は忘れてしまっていて全く活用できていないのです。

そして現に逃げ遅れたのは、いつも事務所にいないので広報なんて関係ないと無視していたのに、たまたま来てしまったような運の悪い人や若手社員ばかりです。役職付きの人、仕事のできる人はほぼ事務所からいつの間にか消えていたそうです。

1日のスケジュールを毎朝確認し、頭のタイムスケジュールで動いているような人は、朝、「今日○時から広報の撮影日」だということも会社のスケジュールに記録してあり、1日のスケジュールに「事務所退避」の時刻が組み込まれていたのでしょう。

「いつも事務所にいることはほとんど無いから、自分には関係ない」と思って会社のスケジュールに入れておかなかった人は、「もしも・・・」を考えない人だと言えます。これも危機意識の欠如の一つです。会社の行事は、自分には関係なくても把握しておくべき必須事項なのです。

松本清張の「砂の器」で、刑事が「点と点が繋がってやっと1本の線になった」というくだりがあります。1つ1つでは何気ない関係なく見える情報でも、集まると1本に繋がるという意味で私にとってはとても印象的な刑事の言葉でした。

このように、今は「関係ない」と思うくだらない情報だと思っても、その情報がいつ重要な情報となるかわかりません。点をたくさん集めれば集めるほど線になりやすいのです。だから数日前の広報のメール情報(「点」となる情報)を会社のスケジュールに記録した人と削除した人が命運を分けたのです。

これは会社内の広報のテレビ撮影に映るか映らないかというだけの些細な問題ですが、同じ姿勢が他社との取引関係にも繋がります。これは人の癖の部分だからです。

しかし、情報を記録していても、その情報を使いきれない人もいます。関係なさそうな情報と情報を繋げて1本の線にするには、想像力と洞察力が必要なのです。この結果ある予測が成立し、「もしも・・・」を想定して危険回避能力が働くのです。

だから、逃げ足の速い人は、その「もしも・・・」の想定で危機だけでなく、成功への賭けに出ることもできるわけです。だから逃げ足の速い人は、成功へのカギをつかむことが得意なのです。

5.人の心に敏感で、相手の心のツボを押さえることができる人

「人間一人では何もできない」ということを忘れないようにしましょう。どんなに努力しても引き上げてくれる人、指導してくれる人がいなければ成長することができないのです。また、才能を引き出し育ててくれる人がいないと、その才能も芽を出しません。

さらに、契約を結ぶのも人です。交渉するのも人です。人は機械ではないので、迷ったら最終決断をするのは心です。だから、スポンサーも人格的に人の上に立つ才能や、カリスマ性が無いと付きません。最後は人としての魅力なのです。努力と才能だけで2番目までは登れます。頂点に立つ人は、損得抜きで動いてくれる部下がいるほどの人望があるものです。

頂点を目指す人はたくさんいても、その椅子は一つです。足を引っ張る人も当然のようにいるのです。「出る杭は打たれる」という言葉が昔からあるのがその証拠です。出る杭でも打たれないでどんどん伸びていくためには、打たれる前に対策を打つだけの他人の助けが必要です。

そのような部下を持つ人は、人の心に敏感で、無意識のうちに相手の心のツボを押さえることができる優しさを忘れない人です。そういう人は、無意識に他人に恩を感じさせているものです。そして人は感謝すると、その後恩をいつか返そうとするものです。

その「いつか」がたくさんあれば、窮地に立たされた時に救ってもらえたりするものなのです。自分の行動は、いつか自分に帰って来るものだからです。

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