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「共有」意識を育んで、会議運営を物凄く楽にする方法

会議も「参加者」から「発起人に」

若手社員から脱却して中堅社員の入り口あたりに差し掛かってくると、任される仕事の質も大きく変わってくる。会議などでも、今までは参加する側で良かったであろうが、中堅入り口あたりになると、議長を任されるのみならず、「発起人」としての振る舞いをしなくてはならないケースも多々あろう。

この会議というもの、参加者でいる間は、「やだなあ」「かったるいなあ」「早く終わらないかなあ」といった後ろ向きのマインドでも何とかなっていたかもしれないが、発起人ともなってくるとそうもいかない。

実際に部下を持つようになり、チームを持ち、仕事の責任も重くなってくると、この会議というものの必要性を痛感させられるわけではあるが、参加を強制されるのは「若かりし頃のあなた」、つまり、あなたの部下であり、後輩だ。

彼らを会議に参加させ、積極的な意見を述べさせるのが議長であり、発起人であるあなたの責任となってくるわけであるが、なかなか事はうまく運ばない。

なんとなく腰が引けていて、当たり障りのない意見を言うのが精一杯の部下を見ていると、あなたのイライラもピークに達して…などという事はないだろうか?そんなあなたに、会議を進める上でのちょっとしたテクニック要素を1つご紹介したい。

会議では「共有」という言葉を多用してみる

会議の場所は、まだ自信も経験も足りない若手の社員からすると、「警察の取り調べの場所」と同じくらいの「怖い」場所である。何を発言しようか?何か突っ込まれはしないか?何か怒られるのではないか?と、怯えの情報ばかりが脳内を支配している状況では良い意見など出てくるはずもないし、なにより会議自体が単なる「拷問」の時間になってしまう。

そんな時には、会議の様々なシーンで「共有」という便利な単語を多用してみる事をオススメする。一例を挙げて説明しよう。例えば、ある商品に対してクレームが入ったとする。今回は、その対応方法についての議論が会議のテーマだ。

こういった会議では、クレームが発生した原因から、現状の認識、そして今後の有効な対策方法や再発防止策などについての議論がなされるわけであるが、こういったケース、議長でもあるあなたは、会議への出席者にこのような説明をするとベターだ。

「今日の会議では、クレームが起こった原因をまずは皆で共有したい。現在がどういった状況であるのかが共有できなければ、良い対応策も出てこないだろう。まず、A君から、皆で共有しておいた方が良い情報を発表してほしい」

このようなイメージだ。部下が述べる意見は、あくまでも「部下自身の自分の主張」ではなく、あなたのチームメンバー全員が知っておいた方が良い情報の「伝達」、つまりは「共有作業」に過ぎない点を強調するわけだ。

「共有」ならば「出る杭」にはならない

今後は変えていかなくてはならない点ではあるのだが、やはり日本人というもの、自分の主張を述べて、自分が「出る杭」になる事を本能的に恐れる。ここでは日本人論を展開するつもりはないので縦堀りは控えるが、組織の和を一番に重んじるその特性を利用するならば、「共有」という言葉は会議などのシーンにおいて、非常に有効に機能する。

「意見を述べなさい」では腰が引けてしまうが、「君の意見を皆と共有してみてほしい」と言われると、なんだか自分の意見も述べやすくなってくるから不思議だ。

言い回し一つで、状況は180度好転する事もある。部下が意見を述べないのであれば、それを述べやすくする土壌を作ってあげる事は、上司であるあなた、つまり管理職としての責任範囲である。

「最近の新人は全然意見を言わないから困る」などといった愚痴を吐く前に、「なぜ、意見を言わないのか?」、その原因を研究してみてはいかがだろうか?

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