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「会社を休みたい」と思った!それは「怠け病」「うつ」どっち!?

何となく目が覚めた時「会社行きたくないな~・・・」と思ったことは誰でもあると思います。そして本当に会社を休んでしまう人もいます。それを怠け病と決めつけてはいけません。ウツの初期症状かもしれません。それでは、怠け病とウツの判断基準はどこかをはっきりと知りましょう。

「ウツ」のはじまり

「怠け病」は誰もが心の片隅に持っているものです。でも、「怠け病」は理性と意志で克服できるものです。また、自信の無いことからも人は逃げたがります。心は意志力で歯止めをかけないと楽な方へ楽な方へと逃げてしまうのです。でもその逃げる心に立ち向かい、自分を律しないと何もできない負け犬になってしまうのです。

そうなってしまっては、人生何の喜びも得られず自分は落ちていくだけなので、そんな自分を自分が見放してしまうような悲しい状況になってしまいます。

心に立ち向かって自分と戦って、一つの壁を乗り越えた時、人は富士山の頂上に登ってご来光を見た時のように感動できるのです。この感動を一度味わうと癖になってしまいます。そして、どんどん自分を厳しく律し、上へ上へと自分を奮起させて、今度はもっと素晴らしい景色をこの目で見ようとがんばります。

「こうしなければならない!」と自分を追い込む人にこのような人が多いようです。そしてこのような人は地道に一歩一歩上昇していきます。そして自分を高め他人の見ない景色を独りで味わい感動できるのです。この努力は評価され、形となって現れるでしょう。周りからも誉め讃えられるでしょう。

さて、ここからが問題です。人は、周りから期待されるとその期待に応えようとします。そして、応えてくれれば周りの期待はもっともっととキリが無くなります。自分の限界をしっかりと見極めている人はいいでしょう。でもほとんどの人が自分の限界を知らずに「がんばればなんとかなるかも?」と淡い期待を抱くものなのです。

今までも、できないと逃げてしまいそうなことも、自分の心を律して何とか成し遂げてきたのですから、逃げるのは自分に負けたことになる、或いは怠け心だと思うのです。こういう人は実は寂しがり屋さんなのです。頑張れば、みんなが誉めてくれるから、寂しくありません。

例えば子供の頃、お母さんに誉められたから、もっと誉められたくてがんばったらできちゃった、というような自分の為でなく、他人のためにがんばり始めた人が多いのです。

或いは自分のために始めたことでも、自分が望んでいないのにいつの間にか誉められるから、もっともっとと期待に応えようとがんばってしまったといった場合が多いと言えるでしょう。

現在の自分を、自分は望んでいなかったけれど、期待を裏切ると人は潮が引くように去って行ってしまいます。そうなりたくなくて独りぼっちが嫌でがんばっているのです。しかし、他人の期待はキリがありません。こうなると地獄だということに、心は一早く気付きますが、まだ頭は気付いていないから問題です。

上り坂が急になればなるほど苦しくなるように、その斜面が自分の能力の限界を超えると、もうそれ以上登れなくなってしまいます。「もう無理!」と心は叫び自分もわかっています。しかし、頭の指令が「がんばればできる!」「もっとがんばれ!」と指令を出すのです。

でも、心は限界を知っています。そして、心が例外的に脳に指令を出すのです。例えば「ベッドから起き上がってはダメ!」といったふうに。これは自己防衛本能です。でも、頭は会社に行くために「時間だから起きろ!」と命令します。

この2つの指令が同時に起こるので、朝体が起き上がらない、起き上がろうとしても何かの圧力に妨害されているように体が重い、といった異常な感覚が生じるのです。

これがウツの始まりです。起き上がっても体が異常に重いといった感じが残っています。どんどん重い石が自分にのしかかってくるような変な感覚もしてくるでしょう。

単なる「怠け心」では、心と頭の指令が戦って勝負がついた時点で心の指令は消滅します。しかし、ウツの症状では心の指令は消滅せずに指令を出し続けるのです。

この状況でウツに気付いて心理カウンセラー等心の専門家に相談し、心を押しつぶしているウツの元凶を見つけることができれば、即解決なのですが、ほとんどの人の場合、この初期症状段階では脳の指令が勝ってしまいますので「怠け心」と勘違いしてしまうのです。

そして、普通の人は、単なる怠け心だと恥ずかしいので、この段階では病院に行くようなこともしません。

しかし、専門家は笑ったりしません。ウツも病気なのですから、早期発見が大切なのです。専門家は「怠け心」と「ウツ」の違いを見分けてくれます。診断してもらって「怠け心」だったら安心して心の指令を無視して、張り切る事ができるではありませんか!?

ウツが進行し始めたら・・・

ウツの初期症状を無視して、それでも意志力で脳の指令が心の指令をねじ伏せてしまうこともあります。まじめで几帳面なガンバリ屋さんほどこうなります。特に自分に自信が無い人ほどそうなるのです。

心は運動神経に働きかけられなくなると、内臓に動けなくなるように強制的に指令を出してきます。それが「耳鳴り」「頭痛」「吐く」「めまい」といったさまざまな体調不良を引き起こすのです。

それでも意志力で心の指令を無視しようとすると「意識を失う」といった異常事態が生じてしまうのです。これは電力オーバーで電気のブレーカーが落ちるようなリセット状況です。

こうなったらもう病院に行かなければなりません。会社を休むほどではありませんが、体調不良で日常生活が快適でなくなるのですから、もはや正常ではないのです。このような、なんだか気分がすぐれない状態を東洋医学では「未病(みびょう)」と言い、治療が必要な範疇となっています。

このように日常生活が快適に送れない未病状態が続くと、ますますストレスが倍増して、ウツ状態の進行は加速します。それでも専門家に相談せずに我慢し続け、周りの期待に応え続け頑張ろうとすると、心の指令をねじ伏せてきた意志力の糸がゴムのように伸びていき、ついには「プツン!」と音を立てて切れてしまいます。

こうなってしまったらもう本能のままです。意識を失うようなことがあれば周囲にも異常がわかって良いのですが、心が放たれてしまったら、会社から逃げ帰る、大声を出して暴れるといった異常行動を取ってしまうでしょう。

心が落ち着くまで体は動き続きます。そして心が落ち着いたら、自分のした行動が恐ろしく、どうしていいかわからなくなってしまいます。ひどい場合は他人を傷つけ、殺してしまうようなことさえ起きかねないのです。

こうなっては人生終わりです。そして心も正常ではいられません。ウツを通り越して、記憶喪失、意識が奥に入り込んで出てこなくなるような精神薄弱状態となってしまうこともあるのです。こうなっては精神病です。

こんな恐ろしいことにならないよう、未病状態で専門家に診てもらいましょう。

ウツだとわかったらどうする?

ウツだとわかったら、ウツの元凶を取り除くのが一番です。例えば病気の場合、悪い所を切除し、傷が癒えるまで強制的に入院させられ、養生させられるでしょう。心も同じです。ウツは心の重大な病気です。原因を探り、その原因となった環境から切り離し、心が元気になるまでゆっくりと静養しましょう。

時には会社を辞める勇気も必要です。見栄や体裁を捨て、自分の命を守ることだけ考えましょう。そして、そうすることを家族が理解し、応援することが一番大切なのです。

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