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会議の全貌を見渡すために、賢く書記を務めるコツとは?

書記というポジションの重要性

この間仕事の同僚と飲んでいる時、会議において重要なポジションは何かという話になりました。決して真面目な雰囲気ではありません。単純に、嫌な上司に押し付けるとしたらどのポジションが一番マシだろうかという話になったのです。

会議の心臓役ともいえる司会進行はもちろんNG。おかしなペースで大事な会議を台無しにされては困ります。議題を扱う発表者(プレゼン担当)などもっとダメ。おかしな提案をされて、さらにそれが上司的な権力でまかり通ってしまってはうんざり。

そうなると、押し付けるべき役回り(どうでも良い役回り)はやっぱりタイムキーパーだろうか、と私が言えば、同僚はすかさず待ったをかけます。時間の管理が下手な上司だと、会議の時間を無駄に引き延ばされるかもしれないと指摘したのです。確かにそれは実際に起こりえることです。

となると、タイムキーパーもボツ。すると残っているのは書記。恥ずかしながら私は書記というものを軽視していたので、同僚に提案したのです。嫌な上司には書記でも押し付けておけばいいのではないかと。ところが、またもや同僚はこの意見に待ったをかけます。書記は非常に重要なポジションだと、私に説教を垂れたのです。彼の言うことは至極もっともでした。結局、嫌な上司に押し付けたい会議のポジションは見当たりません。

書記という役職の重要性について、もう少し掘り下げてみましょう

求められるのは「丁寧な仕事」ではなく、「正確な」仕事

会議において、書記は重要なポジションです。私事で恐縮ながら、私は小学生時代に学級委員の書記を務めたことがあるため、私のような凡才にも務まるものという思い込みがありました。実際は、書記という仕事が簡単であるから私にも務まったのではなく、私が書記を務めたのがせいぜい小学生の頃だったから誤魔化しが効いた、というだけなのです。

書記に求められるスキルは、端的に言うと「ばらばらの情報をまとめる」ことです。当然のことながら会議の参加者は一人ではありません。企業や会議の規模にもよりますが、大人数が一堂に会することもあるでしょう。当然、発言の内容はバラバラです。書記は、重要なものとそうでないものを選別して記録する必要があるのです。

会議ではしばしばホワイトボードなどが用いられます。会議の進捗状況を板書することによって、大勢の参加者たちの理解を同期することができるからです。さきほど、書記は重要な情報とそうでない情報を選別すべきだと書きましたが、これについては細心の注意が必要。なぜなら、書記の個人的な判断で「重要ではない情報」だとみなして切り捨てた発言が発言者にとっては重要なものであり、切り捨てられたことに深く傷ついてしまう恐れがあるからです。

大人の世界なのだから、そんなことを言い出せばキリがないという意見もあるでしょう。私もある程度は仕方のないことだと考えます。しかしながら、本当に腕の立つ書記はいわゆるマイノリティーの意見も切り捨てずに記録します。その方が発言者のやる気を引き出せるからです。

また、発言者の人数を「正」の文字で逐一記録することで、同じ意見が複数回出た場合にも対処できます。以前に出たものと同じ意見だからという理由で何も記録せずにいては、発言者がやる気をなくします。もう意見は一切言わないでおこうと考えるようになれば、会議の進行にとっても会社にとってもマイナスです。だからこそ、他人に発言を求めた以上は、「なるほど」などと頷きながら、きっちり正の字の各数を一本増やすのです。この些細な動作が、会議参加者のモチベーションを高めることにつながります。

また、書記に求められるのは丁寧な文字ではなく、速記力です。後で議事録をまとめることを考えても、会議の記録は正確に記録しておきたい。けれども、その場できれいにノートをまとめることにこだわっていては、会議の進行に記録が追い付かない。そうなれば本末転倒なので、ひらがなやカタカナの使用を優先して議事録の作成に役立つノートを作る書記、という役回りに徹するのです。字がどれだけ汚かろうが、自分が読めればそれでいいのですから。

議事録の作成というノルマ

上の項目でも述べましたが、議事録の作成は書記にとって重要なノルマです。場合によっては司会進行役に当たった人が手伝ってくれることもあるでしょうが、やはり会議の内容を記録する立場にあったということで、一人で議事録の作成を任されることが一般的です。

速記力に自信のある人は、議事録を作成する清書用の紙を会議室にそのまま持ち込んで書記を務めてください。こうすることで「後で記録をまとめ直す」二度手間がなくなります。ただし、やはり致命的な誤字脱字を犯すというリスクを考えると、この二度手間は仕方がないかな、きちんと落ち着いた気持ちで清書しなおすべきかな、というのが私個人の考えです。

その他、色々なビジネス書を当たると、例えばパソコンを会議室に持ち込んで議事録をタイピングすれば二度手間がなくなるとか、会議の音声を全て録音すれば記録の漏れがなくなるとか、すごい持論を展開する人がいます。

ただ、そこまでやったからといってよい議事録ができる保証はありません。第一、パソコンでタイピングする方が手書きよりも疲れるという人は多いですし、録音した音声を始めから聞き直すだけの時間がもったいないと私は考えます。

議事録はまずノートに下書き(大まかな内容を会議中に速記)し、それを会議後に清書するというのが、私なりにベストなやり方です。

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