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「俺の仕事ぶりを評価してくれ!」この考え方が甘えでしかない理由

世間から「信用」を得るための最低5条件

①親や保護者などが金や権力を持っている
②有名有力な学校を卒業している
③外見、身だしなみがきちんとしている
④役に立つ資格、ライセンスなどを持っている
⑤常識的な態度、言動をする

この5条件は、①~⑤の順に強力なものである、と考えてもらってかまいません。①が一番強く、順に弱くなり⑤が一番弱い。①は生まれつき。②はもう卒業してしまっているから手遅れ。当面、努力するなら③④⑤ということになります。

仕事で勝負でしょ!という幻想

しかし、こういうことを書くと、「まあ、そういうこともあるとは思うけどさ、社会人は仕事で勝負でしょ!仕事で結果を出せば、自然、周囲は、認めてくれるものだよ」という反論を思い浮かべるヒトもいるでしょう。でもそれは、はっきり言って世間知らずの甘ちゃんの考え方なんですよ。

僕の友達で、もう中年になってしまった、ある劇団の俳優さんがいます。彼は年に何回かある劇団の芝居で、結構味のある演技をしているし、いいキャラもしているのですが、テレビからも映画からもちょい役しかお呼びがかかりませんから、無名俳優でいるのです。そして会って飲むと、愚痴ばかり。

「あの、テレビに出てる○山雅治なんか全然芝居がなってねえよ、あの役は俺のほうがうまく演じられる」とか、「あのテレビ番組の○○役、俺がやるべきだったんだけどなあ、お呼びがかからなかったんだよなあ」とかばかり言っています。

いくら彼が魅力的な俳優でも、演技がうまくても、役がつかなければその魅力的なキャラも抜群の演技も披露することはできません。つまり彼は、テレビや映画の製作者に、いい演技をすると「信用」されてないのです。「信用」がなければ、いい役はつかない。いい演技を見せられない。そうして人間は腐っていくのです。

実際に芝居がうまいかどうかなんて、この際関係ないのです。そんなものは役がついてからの問題なのです。これは何も、役者の話だけではありません。

仕事が先か、信用が先か、と言えば、信用が先です

これほどあからさまではないかもしれませんが、一般の会社、社会でも同じことなのです。「仕事で目覚ましい成果を挙げればいいさ。むしろそれが本分だろ」と思っても、まず、その目覚ましい成果を挙げるべき仕事を周りから信用されて任されなければ、成果なんか発揮できません。

無名の俳優が、いくらいい演技ができる!と力んでみても、役がつかなくてその演技を見せる場さえ与えられないのと似ています。

疑り深い、自分を全然信用してくれない他人に、いかに自分を「信用」させるか。「仕事さえ出来れば、その他のことなんか、後回しでいい」なんて言っているヒトにはそんなチャンスは永遠に回ってこないかもしれません。

いや、実際にそうやって会社の中で窓際に追いやられたり、ひどい時にはリストラされてしまったヒトを何人も見て来ました。必死になって「信用」をつかもうと頑張る、自分にできることを一生懸命やる、これをやらなければ。

それさえもできないようなら、仕事で目覚ましい成果なんか挙げられる訳ないだろう、と、他人は冷たく思うだけです。いくら「チャンスさえ与えられれば俺だって目覚ましい活躍をできるんだ!」つまりやればできる子だ、と力んでみたところで、自分でなんとかしなければ誰もチャンスなんか与えてはくれません。

いくら演技がうまくても、役につけない俳優と同じことです。なんとかして、いろいろな手を使って、チャンスを獲得する。自分の人生は自分で切り開く。ということは、そういうことです。他人は誰も当てになんかできません。そのくらいの覚悟で頑張るしかない!

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